単色

以前、たまたま見掛けた見ず知らずの人のブログを毎日見ていた時期があった。
その人は小さな子供が2人いる20歳前後の主婦で、旦那様への手作り弁当を毎日ブログにアップしていた。
そのお弁当の写真がとにかく楽しみだったのだ。
お弁当の彩りが全くなく、ただただ茶色だった。
一面の茶色。
カラー写真なのだが、茶色だった。
毎日玉子焼きが入っているのだが、それも茶色だった。
メニューを詳細に書いてあるのだが、どのおかずも彼女が作ると茶色だった。
毎日、茶色であることを確認するのがルーティーンになっていた。
吉本新喜劇を観る楽しみはこういうことなのかなぁと思っていた。
今日も、くるぞくるぞくるぞぉー・・・って、きたー!茶色。

しかし、そんな幸せな日々も終わってしまった。
彼女が少し彩りを考えるようになってしまったのだ。
そして、私のルーティーンから外れたのだった。