気配

先日の診療でも検査入院を勧めらるも、薬の量を1.5倍にして様子見にして貰った。
薬の量が少し増えた夜、それでも血圧が下がらず辛く。
お医者にグワッと上がり下がらなかったら、多く服用しても良いと言われていたので、試しにもう一錠飲んでみた。
すぐには下がらなかったものの、数時間後に急に体が軽くなる。
計測すると、今まで見たことのない低い数値だった。
目がスッキリし良く見え、体が明らかに楽になっていた。
夜中の一時過ぎにすこぶる元気になり片付けを始め出す。

なんて楽なんだ。
平均的な血圧の人の体はこんなにも快適なのか。
今までの私の体は鎖帷子を装着していた感じだ。
それも長袖の。
いや、全身タイツならぬ、全身鎖帷子だ。
いやいや、矯正下着を着け、大リーグボール養成ギプスも装着した上での全身鎖帷子に着ぐるみを着て朝昼晩のスリーステージだ。
ずっと自分は怠け者なんだと思い込んでいたが、それが全てではなく、
高い血圧も大きな要因であったんだと気付いた。
他人のタフさに憧れていたが、タフなんじゃない、普通だ。
そりゃー楽だよ、この血圧ならいくらでも動けるもの。
みんな楽してやがったんだな。
いや、私が着込み過ぎていたんだ。
日々拷問だったよ。
なんだよ全く。

しかし、夜中の二時近く。
集合住宅に住んでいるので、ガサゴソして近所迷惑になってもいかんし、翌日も仕事だ。
泣く泣く就寝。
起床すると一転、いつもの全身鎖帷子セットだった。
なんてこったい。
毎日処方された2.5倍量の薬服用もなぁ...と思い、いつもの全身鎖帷子で過ごしている。


万が一、疑われる病気だったとしても手術であの楽な体が手に入るなら、検査入院も悪くないと思った。
なんならその病気で手術して楽になりたいと思った。
そうでないとずっと拷問は続く。
夏はバカンスではなく、病院でお泊まりが有力。






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